小学生が楽しく読める「学べる絵本」が知りたい!
今年もお家で過ごすことが多い夏になりましたが、そんなお家時間を有意義に過ごせる「学べる絵本」を5冊ご紹介します。
■対象年齢は小学校低学年から
今回は絵本のご紹介ですが、内容自体はとても本格的で大人が読んでも勉強になる絵本をセレクトしました。
子供と大人が一緒になって「へぇ~!」と言いながら楽しく知識を深められる絵本ばかりなので、夏休みに親子一緒に読むのもオススメです。
絵本によっては「まだすこし難しいかな」と思うかもしれませんが、一見難しく見える内容でもわかりやすく読めるのが絵本の良さなのでぜひチャレンジしてみてください。
絵本がきっかけで新しい分野への興味が広がりますよ。
小学生にオススメ「学べる絵本」5選

- カエサルくんとカレンダー
- 数字はわたしのことば
- フィボナッチ
- 星の使者
- せいめいのれきし
カエサルくんとカレンダー
私たちの身近にある「カレンダー」の成り立ちや仕組みについて教えてくれる絵本です。
主人公の小学生の女の子、ゆうかちゃんが新しいお家に引っ越しをしてきた場面から物語は始まります。
ゆうかちゃんが引っ越し先の部屋の片づけをしていると、お母さんがカレンダーを持ってきてくれました。
「わたしだけのカレンダー」に心が躍るゆうかちゃんは、さっそく家族の誕生日に印をつけていこうとします。そこでふと気づきました……
「あれ?おかしいな。なんで2月だけこんなに短いの?」
そこにひょこっと姿を現したのがローマの偉大なる将軍”カエサル”
カレンダーの下から現れた白いローマの服を着たカエサルは、ゆうかちゃんにカレンダーの仕組みを話し始めます。
- 地球の自転と1日の関係
- 天動説と地動説
- 太陰暦と1ヶ月
- 地球の公転と1年の関係
- 2月が短くなった訳
- うるう年のお話し
- 日本の昔のカレンダー
カエサルはカレンダーにまつわる科学的、歴史的な話を次々と教えてくれます。
挿絵とともに話されるカエサルの説明はとてもわかりやすく、「毎日見ているカレンダーにこんな秘密があったんだ!」と目をキラキラさせながら話を聞くゆうかちゃんの表情も印象的です。
絵本の最後には大人向けの詳しい解説も載っておりますので、絵本からさらに深く学べる構成になっています。
身近にあるカレンダーが地球や太陽の動きと密接な関わりがあることを知ることで、科学って自分の身の回りにあるんだ!と気づくでしょう。
科学を身近に感じるだけでなく、カエサルやローマ帝国といった歴史に派生して学ぶこともできますので、ぜひこの絵本をきっかけに知識の幅を広げていって欲しいと思います。
数字はわたしのことば
本当にあった話をベースにした伝記的な絵本です。
この絵本の副題にある「ぜったいにあきらめなかった数学者ソフィー・ジェルマン」の通り、“女性数学者”としての苦悩も描かれた深みのある絵本となっています。
主人公のソフィーはフランス革命の時代を生きた女性数学者。
幼いころから天才的な才能を持ちつつも、女性であることが障壁となり、数学について学ぶことさえ許されませんでした。しかしソフィーはあきらめません。
彼女は自分の身分を隠し、難問と言われた数学の問題に挑み……そこから彼女の運命は大きく変わっていきました。
今では女の子でも勉強するのが当たり前になりましたが、女性が勉強したくてもさせてもらえない時代もあったのです。
本来「学べる機会」はとっても幸せなこと。「夏休みの宿題やったの!?」と言われてイヤイヤやるお子さんも、この絵本をきっかけに「学べる幸せ」について考えてみるのはいかがでしょうか。
絵本を読むことで数学の役割について知ることもできます。
ソフィーが発見した公式が建造物の計算に使われていることを知れば「数学って何のために勉強するのかわからない」という疑問も解消されるかもしれません。
絵本を通して「学びへの情熱」「数学の意味」をビリビリ感じてください!
フィボナッチ
「フィボナッチ数列」を発見したイタリアの数学者のお話しです。
『フィボナッチ』を読むと、自然って本当に不思議で美しいと感じます。
数学というと数字の羅列で無機質ささえ感じてしまいますが、フィボナッチの話を読むと数字はあくまでも自然界に存在しているものたちを、「見える化」してくれているに過ぎないと思えてくるんですよね。
数を愛して小さい頃から数えたり算数の問題を考えたりしながらも「のうなし」とバカにされて育ったフィボナッチ。
商人の父親に連れられて世界の数字に触れたフィボナッチは、数と自然の不思議な関連性に気づき……ついに法則を発見しました。
前述の「数字はわたしのことば」と同様に、周囲から反対されながらも信念を貫き情熱を絶やさなかったフィボナッチの数字への愛が伝わる絵本です。
数への親近感が持てる絵本ですので、数学や算数が苦手な人にもフィボナッチのひたむきな姿を見て欲しい。数と自然のつながりが見えるようになり世界を見る目が変わりますよ!
星の使者
衝撃の絵本でした。
クラシカルな絵と独特なデザインによって「歴史書」を読んでいるような感覚になる絵本です。
独特な絵柄とデザイン性のある装丁は好みが分かれるところかもしれませんが、ガリレオの生きた時代の重々しさがよく表れていると思います。
そして何より驚いたのが、異端とされたガリレオの主張をカトリック教会から認められたのが1992年だったということ。
300年以上経ってからやっと許されたガリレオの罪。決して明るく楽しい絵本ではありませんが、自分の信念を突き通すパワーが伝わってくる絵本です。
夏の夜星を見ながらガリレオの激動の生涯に目を向けてみるのはいかがでしょうか。
せいめいのれきし
”地球上にせいめいがうまれたときからいままでのおはなし”と副題にある通り、歴史の流れを描いた絵本です。
『せいめいのれきし』の特徴的な点は、劇場で演劇を見ているかのように歴史のストーリーが話されていくところ。
バージニア・リー・バートンの写実的すぎない、けれどもファンタジーでもない絶妙なバランスの絵がとても魅力的な絵本です。80ページ弱の長編絵本のため、対象年齢は少し上がります。
内容を理解できるのは小学校高学年くらいからになると思いますが、パラパラとページをめくっていくだけでも大まかな地球の歴史の流れが見て取れます。
恐竜が好きなお子さんも多いので、年齢に関係なく楽しむことができますよ。
現在出版されているのは、情報をアップデートした「改訂版」ですが、以前のバージョンとどこが違うのか見比べてみるのも楽しいですね。
広く浅くというより、狭く深くもぐっていくような感覚の『せいめいのれきし』を読んで、壮大な歴史のロマンを感じてみませんか?
絵本を読み、自分のルーツや存在意義について考えることもできます。
自分も大きな「地球という名の舞台」の登場人物であると認識することで視野が広がり、物事を俯瞰して見れるようになりますよ。
まとめ
夏休みにぴったりな小学生向けオススメ絵本5選をお届けしました。
どの絵本の主人公も自分が信じた道を進み大きな功績を残しました。
人生のロールモデルにもなれる偉大な主人公ばかりなので、ぜひ絵本から人生としての学び、知識としての学びをたくさん得ていただけたら幸いです。