STEAM教育の事例が知りたいというあなたに、海外の先生が行っているアクティビティ事例をご紹介します!
STEAM教育を実践したいけれど、どんなアクティビティを取り入れたらいいのか……と迷ってしまいますよね。海外では盛り上がりどころか、すでに定着している基礎的な学習にも関わらず、日本ではまだまだ認知度が低く、情報が少ないのが現実。
そこで今回は海外の先生などが取り入れている、STEAM教育の事例を4つご紹介します。
算数(数学)だけ、アートだけと区別して学ぶのではなく、違う教科をミックスして学べるのがSTEAM教育の良さです。固定観念にとらわれず、「とにかくやってみよう」の気持ちで取り組んでみると新たな発見があるかもしれませんよ。
これからご紹介する事例は、クリエイティビティも発揮できるアクティビティです。教科の勉強だけでなく子どものヒラメキを引き出し、たのしく学びましょう!
STEAM教育の事例【 算数×アート】
今回ご紹介するのは「数学(算数)×アート」の事例。
- タングラム
- コンパス
という、今まで見たこと使ったことがあるアイテムを使いながらも、アートと組み合わせることで発展性のあるアプローチが可能です。
動画内のアクティビティを解説します。
タングラム
タングラムはパズルのような教材・おもちゃ。
使い方は、三角や四角などの形を組み合わせて自由に形を作ったり、動物などのあらかじめ作られた枠の中にどのようにタングラムを配置をしたら収まるかを考えパズルのように使ったりします。
もともとタングラムは知育玩具として知られており、日本の幼児教室でも必ず取り入れられる教育的価値の高いおもちゃです。
そしていまでは幼児だけでなく、小学生でもタングラムを教材として取り入れることが増えてきました。
上記の動画では、
タングラムでこのようなアクティビティをおこなっています。
- 紙の上でタングラムで動物などのモチーフを作る
- モチーフを組み立てたままタングラムをなぞって紙に書き写す
- 書き写した枠内を絵の具で好きな色に塗る
- 背景を描く
このアクティビティでは、ただの形に過ぎなかったピースを組み合わせることで、意味のある絵がつくれる過程を体験できます。
従来のタングラムは「形をつくって終わり」が多かったと思いますが、そこからさらに発展させた取り組み(枠内の色付け、背景の描きこみ)によってアート作品に格上げし、シンプルな形から新たな価値を生み出すデザイン力も学べるアクティビティになっています。
コンパス
コンパスと言えば……
「算数の授業で円を書くもの」と思っていませんか?
実際それはそうなんですが、上の動画ではコンパスに鉛筆ではなく「絵筆」をつけて、カラフルな円を描くアクティビティを行っています。
コンパスが、ちょっとつまらない算数ツールからアートを生み出す魔法のツールになった!
子どもたちの取り組み事例も載っていますが、カラフルな円をたくさん描く子、規則性を使って統一感のあるデザインにする子、ユニークな作品が生み出されていますね。
このように、お勉強道具のイメージが強かった「コンパス」をつかって絵を描くだけで、親の世代としてはとても斬新ではないですか?
その固定観念を崩すだけでも、「発想の転換」に大きな作用をもたらすと思います。海外の事例を見ていると、このようなちょっとした取り組みからも発想力の豊かさを思い知らされます。
もちろん描くだけでなく、円の半径や直径、円が重なった部分の面積の出し方など、算数とからめた学びも可能です。
コンパスを使ってデザインし、図形を身近に感じることで「数学なんて日常に役立たない!何のために勉強するの?」という声も聞こえなくなってくるかもしれません。
ちょっと変化球な算数アート
上のアクティビティはわりと王道な感じでしたが、
ここからは少しマニアックな取り組みをご紹介します。
対象年齢は……
少し大きい子ども向けでしょうか。定規でまっすぐ線が引ければできる簡単な取り組みですが、ダイナミックさが少ないので小さい子どもだと飽きてしまうかもしれません。
この動画では、白い紙の上にランダムに点を配置し、その線を自由に結んで形をつくっていきます。すべて結べたら色を塗って完成。
とてもシンプルで紙とペンと定規があればすぐにできますね。
フリーハンドで真っすぐ線がひければ、髪とペンだけで出来るお手軽さ。
自由にひいた線の中から、
「三角を探そう」
「四角を探そう」
と声掛けを工夫することで
三角や四角の定義を学ぶこともできます。
さらにマニアック!な算数アート
もうサムネイルを見ただけでマニアックさがおわかりいただけたと思います(笑)
これも、小さいお子さんには難易度が高いのですが
紙・定規・ペンだけでこんな幾何学模様が描けるのを知ったら、はまる子ははまるんじゃないかなぁと思います。この絵から規則性などが発見できるかもしれません。一見複雑でとっつきにくそうな取り組みですが、
子どもは何にはまるかわかりません。
それに何と言っても「紙・ペン・定規」だけで出来るんですから、「やってみようよ!」と気軽に声をかけて様子をみるのでも損はないはず。一味違ったアクティビティをお求めでしたら、ぜひ一度やってみてください。
STEAM教育の事例【算数×アート】まとめ
STEAM教育は工夫・組合せによって何色にも変われます。
実際、シリコンバレー系の大企業でも「デザインやアート」にとても重きを置いています。スティーブ・ジョブズがAppleで大成功した理由は、機能面だけでなくデザイン力も確実に影響していますよね。
今後はさらに、AIに置き換わらない人材としてクリエイティビティやデザイン力が重視されます。
算数とアートを組み合わせたアクティビティで
未来につながる発想力を身に着けていきましょう。